|
10月11〜12日の二日間、東京ビッグサイトにて第11回学術大会が開催されました。今回のテーマであり「ココロと身体」が、時代にそったテーマであることを改めて感じさせてくれる大会でした。大会を通じて会場全体がココロと身体という場の空気が流れており、次の講演者にまるでバトンタッチしていくかのように引き継がれていました。
オープニングは、清泉クリニックの脇元幸一先生(医療法人SEISEN清泉クリニック整形外科、スポーツ医学センター専務理事施設長)による、「Spine Dynamics理論による慢性疼痛疾患治療の実際」についてご講演をいただきました。脊柱カーブつまりアラインメントは、その人の体力指数と相関があるというエビデンスをご紹介いただきました。脊柱カーブの破綻は運動学的な問題だけにとどまらず、心理的、栄養学的な要因も関係しており、あらゆる不定愁訴の根源となってきます。まさにカイロプラクティックが目指す理念を、脊柱カーブという観点から改めて証明していただいた基調講演でした。
二日目の特別講演は有田秀穂先生(東邦大学医学部統合生理学教授)によります、「身体に働きかけると、セロトニン神経が活性化される」です。現代の社会現象ともいうべき、うつ病などの心の病気について現代の生活習慣の観点から解説していいただきました。またその解決策としてリズム性のある運動を行なうことによって、セロトニン神経が活性化し症状の改善につながることを示していただきました。改めて徒手療法や運動療法に携わる我々の責務を再認識させていただき、多くの質疑があったことを考えても参加者一同感銘を受けたことは間違いありません。
ワークショップでは、甲野善紀先生(松聲館代表)「科学的という前にせめて論理的であろう」、本多直人先生(仙台徒手医学療法室SORA)「いのちの技術〜場の治療〜」、加瀬建造先生(社団法人キネシオテーピング協会会長)「キネシオテーピング・心と体へのアプローチ」、中村昭二先生(日本生体咬合研究所)「大自然における“こころ”と“身体”の解決を考える」の各テーマにてワークショップを担当していただきました。
甲野善紀先生の見事な身体捌きや立ち振る舞いは、生きた武士そのものであり改めて人に関わる専門家として、動きとは何か?科学的とは何か?ということを考えさせられました。本多直人先生からは、身体のみならず情動や環境など全てを含んだ生命を対象とした「場の治療」について解説していただきました。加瀬建造先生からは、今や世界的に普及しているキネシオテーピングの最新の理論的背景を、デモンストレーションを交えて解説をしていただきました。キネシオテープの適応は、いまや運動器疾患のみならず、皮膚を介した脳そのものへのアプローチと発展してきており、その適応範囲は身体から心へと広がっています。中村昭二先生からは、人は拠り所として何を求めているか?生きている根源的な欲求や意味について、臨床を突き詰めるとそこには人に辿りつきます。経験をとおして行き着いた病気とは人とは何か?とても感慨深い講義でした。
また一般講演は口述9題、ポスター発表6題の発表があり、カイロプラクティックおよび臨床に対する熱い気持ちがこもっており、発表と質疑持ち時間があっという間に過ぎてしまうほどでした。
今回の大会はカイロプラクティックのみならずリハビリ関係者の参加も多くみられ、新たなコラボレーションの兆しが見えた大会となりました。来年の第12回学術大会は、荒木寛志大会長のもと福岡の地にて開催されます。
最後に大会関係者ならびにご協力いただいた各企業の方々に改めて御礼を述べさせていただきます。
学術大会会場の東京ビッグサイト
ワークショップ 甲野善紀先生によります実技解説
ワークショップ 加瀬建造先生によりますキネシオテーピング実技
一般講演 ポスター発表者による実技解説
第12回会長 荒木 寛志
|